「設計価格の意味」を知っていますか。
→住宅材料(住宅設備機器、窓等)の価格を設計価格といいます。
設計価格は住宅材料メーカーが設定をした定価のことです。
住宅業界ではこの定価のことを上代価格ということもあります。
住宅材料メーカーが設計価格を設定することには理由があります。
住宅材料メーカーの販売先は設計事務所、工務店ではありません。住宅材料の卸売問屋です。
卸売問屋が設計事務所、工務店に住宅材料を販売します。
卸売問屋は販売先の設計事務所、工務店の状況によって販売価格を当然変えています。
例えば、
- 1年間に100の材料を購入してくれる設計事務所、工務店には
設計価格×40%の価格で販売をする。 - 1年間に 10の材料を購入してくれる設計事務所、工務店には
設計価格×70%の価格で販売をする。
このように、販売先の設計事務所、工務店の状況により卸売問屋の販売価格が異なっているために、設計価格(定価)がある分けです。
設計事務所、工務店の住宅材料の仕入単価はどの位だと思いますか。
→実際の仕入単価は、設計事務所、工務店の年間購入量で決まります。
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標準グレードの住宅材料の仕入単価は
(購入量の多い設計事務所、工務店の場合) :設計価格の35%程度です。
(購入量の少ない設計事務所、工務店の場合):設計価格の55%程度です。 -
グレードの高い住宅材料の仕入単価は
(購入量の多い設計事務所、工務店の場合) :設計価格の50%程度です。
(購入量の少ない設計事務所、工務店の場合):設計価格の65%程度です。
卸売問屋が、設計事務所、工務店に販売をする価格にはかなりの開きが存在しています。
また、住宅材料には現場での施工組立が必要となるものがあります。ユニットバス・キッチン等です。
住宅材料を安くして、住宅材料の施工組立費を過剰に請求される場合もありますので注意が必要です。
ユニットバス・キッチンの施工組立費の標準は5万円~10万円程度です。
*住宅材料の単価をチェックすることで、設計事務所、工務店のモラルが分かります。
*住宅材料の施工組立費をチェックすることで、設計事務所、工務店のモラルが分かります。
*チェックの仕方は簡単です。見積書で住宅材料の単価と施工組立費をチェックするだけです。
住宅材料の単価と施工組立費は、明細見積書に計上されています。
設計事務所、工務店のなかには、住宅材料の単価、施工組立費を計上する明細見積書を作成していない場合があります。このような設計事務所、工務店は問題外です。
設計価格の知識を持っていれば、設計事務所、工務店の見積額が割高なのか、妥当なのかが分かります。