- 工事監理とは、工事監理者(建築士)が「設計図書通りに施工されているか?」を確認する業務のことです。
- 工事監理者(建築士)は建築主(施主)に代わり「設計図書通りに施工されているか?」を確認します。
- 建築主(施主)は建築の専門家ではないため、工事監理者(建築士)が工事監理の状況を建築主(施主)に報告することになります。
- 工事監理者(建築士)の工事監理義務は建築基準法・建築士法で定められています。
- 【工事監理】が義務付けられている理由を教えて下さい。
- 名義貸しが禁じられている理由を教えて下さい。
- 設計事務所から訴訟を起こされた時の対処方法を教えて下さい。
- 設計事務所から不当な追加設計費用を請求された時の対処を教えて下さい。
- 『大規模模様替え工事』と『大規模改修工事』の違いを教えて下さい。
- 床の撓み(タワミ)について教えて下さい。
- リフォーム工事でのトラブルの対処方法を教えて下さい。
- 工事途中に設計事務所が倒産した時の対処を教えて下さい。
- 設計事務所が契約を守らない時はどうしたらいいですか?
- トラブルを起こす設計事務所の特徴を教えて下さい。
【工事監理】が義務付けられている理由を教えて下さい。
【工事監理】が義務付けられている理由を教えて下さい。
名義貸しが禁じられている理由を教えて下さい。
名義貸しが禁じられている理由を教えて下さい。
- 名義貸しとは建築士が代理業務・設計業務・工事監理業務を委託者(建築主)に説明せず勝手に行うことです。
- 建築に際して設計図書の説明を建築士から受けていない場合、名義貸しに当たることが多々あります。
- 建築士と面識がない場合、名義貸しに当たることがよくあります。
- 要注意です。
- 名義貸しでは以下が問題になります。
- 建築士が代理業務(申請業務)を勝手に行うため、委託者(建築主)は申請内容がわかりません。
- 建築士が設計業務を勝手に行うため、委託者(建築主)は設計内容が分かりません。
- 建築士は名前を貸しているだけで監理業務を行わないため、委託者(建築主)は設計図面通りに施工されているかが分かりません。
- 名義貸しでは①建築士が説明をせず、②委託者(建築主)の承諾を得ず、③建築士が工事監理を行わず、施工者が勝手に建築を進めることになります。
- その結果、建築士による建築物の安全の確保ができなくなります。
- 名義貸しは法令により禁じられています。
設計事務所から訴訟を起こされた時の対処方法を教えて下さい。
設計事務所から訴訟を起こされた時の対処方法を教えて下さい。
- 設計事務所とトラブルになった場合、最終的に金銭トラブルへ発展します。
- 設計事務所は訴訟によってこの金銭トラブルを解決しようとします。
- 設計事務所から訴訟を起こされた場合、以下を確認する必要があります。
- 訴状の請求趣旨の事実確認
- 訴状の請求原因の事実確認
- 上記の請求趣旨と請求原因は設計事務所の一方的な主張のため、事実と相異していることがあります。
- 上記の請求趣旨と請求原因が事実と相異している場合、請求が不当であることへの反論が必要になります。
- 設計事務所から訴訟を起こされた場合、上記に事実確認と証拠確認で対処する必要があります。
- 設計事務所と約した設計監理業務委託契約・設計監理業務委託契約約款・設計業務委託書・監理業務委託書による実務の履行方に照らして、設計事務所の主張が不当であることを明らかにする必要があります。
- これが訴訟を起こされた時の対処方法になります。
設計事務所から不当な追加設計費用を請求された時の対処を教えて下さい。
設計事務所から不当な追加設計費用を請求された時の対処を教えて下さい。
- 追加設計費用の請求は設計業務委託契約によらなければなりません。
- 追加設計費用の請求は設計業務委託契約約款によらなければなりません。
- 設計事務所から追加設計費用を請求された場合、設計業務委託契約を遵守したものであるかを確認する必要があります。
- 設計事務所から追加設計費用を請求された場合、設計業務委託契約約款を遵守したものであるかを確認する必要があります。
- 不当な追加工事費用の請求は設計業務委託契約を遵守していません。
- 不当な追加設計費用の請求は設計業務委託契約約款を遵守していません。
- 追加設計費用の請求が設計業務委託契約と設計業務委託契約約款を遵守していない不当な請求に当たることを立証する必要があります。
- その上で追加設計費用の請求が不当であることを理由とし、支払拒否等の対処をする必要があります。
- 設計事務所は請求権にもとづいて追加設計費用の支払いを求めてきます。
- 上記の対処が不十分だと設計事務所の主張が認められてしまうケースもよくあるため、注意が必要です。
『大規模模様替え工事』と『大規模改修工事』の違いを教えて下さい。
『大規模模様替え工事』と『大規模改修工事』の違いを教えて下さい。
- 大規模模様替え工事とは構造に係る工事をともなわない大規模なリフォーム工事のことです。
- 建築確認申請等は必要ありません。
- 大規模模様替え工事は以下のような工事です。
- 屋内の壁のリフォーム工事
- 屋内の床のリフォーム工事
- 屋内のキッチン・風呂・便器等の住宅設備機器のリフォーム工事
- 外壁等の塗装工事
- 屋根葺き替え工事
- 大規模改修工事とは構造に係る工事をともなう大規模なリフォーム工事のことです。
- 建築確認申請等が必要になります。
- 大規模改修工事は以下のような工事です。
- 増改築工事
- 間取り変更工事
床の撓み(タワミ)について教えて下さい。
床の撓み(タワミ)について教えて下さい。
- 床の撓み(タワミ)とは部屋の中央に向かって床が下がっている現象のことです。
- 一般的な撓み(タワミ)は材料に重さが加わった時に歪む(ヒズム)量のことで、その大きさを撓み(タワミ)量と言います。
- 撓み(タワミ)には2つの基準があります。
- 構造基準:最大の撓み量を部材の長さの1/300以下とする基準。(※主に梁等の基準)
- 性能基準:最大の撓み量を部材の長さの3/1000以下とする基準。(※3/1000以上の撓みを瑕疵とする基準)
- 床の撓み(タワミ)は上記の基準に照らして瑕疵に当たるか否かを判断します。
リフォーム工事でのトラブルの対処方法を教えて下さい。
リフォーム工事でのトラブルの対処方法を教えて下さい。
- リフォーム工事のトラブルの原因は主に以下の3つです。
- 施工不良
- 追加工事費用
- 契約取りの施工になっていない
- この原因でトラブルが生じた場合、以下のような対処が必要となります。
- ⇒施工不良の立証と施工不良を直す工事費用の確認。
- ⇒追加工事費用が不当であることの立証。
- ⇒契約通りの施工に直す工事費用の確認。
- この確認と立証にもとづき、リフォーム業者に賠償と不当請求金額の支払拒否等の対処を行うことが一般的です。
工事途中に設計事務所が倒産した時の対処を教えて下さい。
工事途中に設計事務所が倒産した時の対処を教えて下さい。
- 工事途中に設計事務所が倒産した時の対処は以下の通りです。
- ①契約の解除
- ⇒設計事務所が倒産をして破産申立をすると、破産管財人が選任されます。
- ⇒その破産管財人と契約解除手続きを進めることになります。
- ②成果物の確保
- ⇒破産管財人に成果物(設計成果物・申請成果物・監理成果物)の提示を求めることになります。
- ③成果物の評価
- ⇒成果物評価により残業務に必要となる業務費用の算定が必要になります。
- ④設計監理業務再開の準備
- ⇒残業務費用の準備と残業務を託す業者の選定が必要になります。
- ①~④が工事途中に設計事務者が倒産した時の対処です。
- ちなみに一般的には④の残業務費用の準備が最も大変な対処になります。
- 金融機関との融資見直し協議等が必要になることもあります。
設計事務所が契約を守らない時はどうしたらいいですか?
設計事務所が契約を守らない時はどうしたらいいですか?
- 設計事務所が契約を守らないことはよくあります。
- 設計事務所は以下の契約条件を守らないことが多いです。
- 設計内容
- 建築予算
- 設計期間
- 上記を設計事務所が適切な手続きを取らずに守らなかった場合、設計監理業務委託契約の債務不履行に当たります。
- 上記の場合、設計事務所に契約の遵守を強く求めて差支えありません。
- 上記の場合、設計事務所が契約の遵守に応じない時は債務不履行を理由として契約解除を求めても差支えありません。
- 契約解除を求める場合、成果物精算等の手続きがありますので専門家に相談する必要があります。
トラブルを起こす設計事務所の特徴を教えて下さい。
トラブルを起こす設計事務所の特徴を教えて下さい。
- トラブルを起こす設計事務所には以下のような特徴があります。
- 「予算に合わせた設計は容易にできる」と言って契約を急がせます。
- 「契約後いくらでも設計変更ができる」と言って契約を急がせます。
- 設計監理業務委託契約の契約内容の説明をせずに契約します。
- 設計監理業務委託契約約款の約款内容の説明をせずに契約します。
- 設計業務委託書を提示せずに契約します。
- 監理業務委託書を提示せずに契約します。
- 上記のような設計事務所は契約直後に以下のような言動でトラブルを起こします。
- ⇒「依頼者の希望が多すぎるため予算にあった設計が出来ない」と言い出します。
- ⇒「依頼者の注文が多すぎるため設計変更が難しい」と言い出します。
- これがトラブルを起こす設計事務所の特徴です。